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いちごが好きだった女の子たちの話です。


太田隆文監督長編第一作、2006年公開の映画「ストロベリーフィールズ」。
クランクインは2005年9月17日。

本作には劇場公開版及びDVD版とは異なるディレクターズ・カット版が存在します。
ここでは「special edition director's cut II」とされるバージョンの変更点・追加シーンなどを紹介します。




ストロベリーフィールズ



美しい自然と昔ながらの街並みが広がる和歌山県田辺市を舞台に、4人の女子高生が織りなすドラマを郷愁たっぷりに描いた青春ファンタジー。17歳の女子高生・夏美のクラスメイトの3人が、交通事故で命を落としてしまう。3人は幽霊となり48時間だけこの世に戻ってくるが、彼女たちの姿を見ることができるのは夏美だけだった。クラスでは決して仲が良かったわけではない4人は、反発しあいながらも友情を深めていく。


出演:
夏美 - 佐津川愛美
理沙 - 芳賀優里亜
美香 - 東亜優
マキ - 谷村美月

鉄男 - 波岡一喜
京子先生 - 伊藤裕子
長塚先生 - 並樹史朗
死神 - 奈佐健臣
マキの父 - 飯島大介
マキの母 - 水沢有美
夏美の母 - 吉行由実
夏美の父 - 小西博之
夏美の姉・春美 - 三船美佳


監督・脚本・編集:太田隆文
撮影:三本木久城
照明:安部力
録音:塩原政勝
美術:石毛朗
音楽:遠藤浩二
主題歌:あべさとえ「空の模様」









「ストロベリーフィールズ」
ディレクターズ・カット版
(99分)
「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」
劇場公開版
(91分)



00:00:00- オープニング

タイトルバックの入り方が異なる。
タイトルが変更されている。(後述)


境内を掃除している鉄男(波岡一喜)のカット追加など。
田辺の風景ショットもいくつか変更・追加され、大人になった夏美が17歳の頃を回想する、という導入部の映像が若干長くなっている。




00:03:22- 柔道部室 マキの姿を8mmカメラに収める夏美

鏡を拭く用務員・古本追加。


柔道着姿の京子先生(伊藤裕子)追加。


マキ(谷村美月)の名札板追加。



夏美(佐津川愛美)がふと横を見るとマキを眺める美香(東亜優)の姿に気付くシーン追加。
など、大幅に追加されている。

公開版では、美香がマキに憧れているという設定が読み取りにくくなっていたが、DC版では他にもいくつかの追加カットがあり補足されている。




00:04:02- 帰宅する夏美

雲のショットが不穏な入道雲に変更。


階段を登る夏美の別アングルからのカット追加。




00:06:15- 夏美の家 家族写真



鉄男が持ってきた苺をつぶすという姉・春美(三船美佳)の非情な行動のあとに家族写真のカットが追加。
家族4人が仲睦まじかったあの頃や、夏美の8ミリカメラというアイテムが亡き父(小西博之)譲りであることが示される。




00:06:27- 学校

廊下の窓を拭く用務員・古本追加。
生徒の挨拶は無視し女教師には慌てて会釈するという無気力な用務員・古本。
夢破れて諦めたやる気のない大人、という設定。
用務員・古本のシーンは公開版では多くはカットされており、マキらを大会に送る車の運転手として突然登場するかたちになっていたが、DC版では学校のシーンで度々登場しキャラクターが補足されている。


二年三組の表札追加。

ちなみに次作「青い青い空」の5人は二年二組である。(塔子のみ二年一組)
ここで重要なのは、おそらく、17歳。




00:07:26- 教室 いじめを受ける夏美

理沙らによる夏美へのいじめに対し見て見ぬふりをするクラスメイト追加。




00:10:12- 教室 マキの大会出場を祝う夏美・美香

美香の振り向きから笑顔のカット差し替えなど。




00:13:45- 墓場 夏美の前に幽霊として姿を現す3人



墓場のナイトシーンの色味を青く変更。




00:23:25- マキの家 マキの父に詰め寄る鉄男



マキの父(飯島大介)とのやりとりの前に、殴られ一度追い出される鉄男のカット追加。
鉄男と夏美との会話シーン追加。




00:25:38- マキの家 玄関先でうなだれるマキ

マキの母に関する4人の会話シーン大幅追加。
このシーンはパンフレット(公式ファンブック)のストーリーダイジェストに一部記載があるが、公開版本編では全く使用されていない。


美香「マキ…お母さんに会いに行こう。どこにいるの?」


夏美「うん。私がマキの気持ち伝える」


マキ「…会いたく…ないよ」


理沙「どこにいるかわからないしね」
夏美「理沙…!」


マキ「ちくしょう。なんで俺だけこんな目に合うんだよ。試合に出たかった…」


夏美「なぜマキは、柔道を始めたの?」
美香「あの時からかな…。父親がアル中で、母親が家出。そんなことがあって、母親は男と駆け落ちした。そう言われて、いじめられるようになったの」
夏美「それで柔道始めたの」
美香「うん」
夏美「でも母親が男と駆け落ちなんて、誰がそんな酷いこと言ったの?」


理沙「…私」


夏美「…!」


マキ「……」




00:30:38- 夏美の家 夏美と姉・春美との不和



夏美の幼少期の写真を破る姉・春美の別カット追加。
夏美がナイフを手にする前後で姉妹のカットが増えている。
破られた写真の残骸のアップ追加。




00:33:45- バラバラになった4人それぞれの回想シーン

夏美の元を離れ一度バラバラになり各々が思い出の地を訪れ自分を見つめ直し回想する一連のシーン、それぞれにいくつかカットが追加されている。




浴衣、花火、弁慶祭。
マキと鉄男との夏祭りのシーン追加。






優等生を演じていた学級委員長の美香。教室や河原で1人、孤独に佇むシーン追加。
美香もかつてのマキと同様のいじめにあっていた。そのため、柔道を始めてから毅然と立ち向かうようになった一匹狼のマキに対する憧れを抱くようになる。

美香は最初に退場するキャラクターであり、また前述の通り公開版では多くがカットされていたため、DC版においては美香に関する描写が4人の中では特に追加されている。



「私の家には何の問題もないから」と強がりながらも、家には居場所がなく、思い出も少ない理沙には行くところがない。1人でただ夕陽を眺めるのが好きだった。
多くの取り巻きを従えた番長の理沙もまた孤独な少女であった、というシーン。
海岸のカット追加。




00:56:16- 天神崎 理沙の最後の願い



残された時間が僅かとなり最後に夕陽が見たいという理沙の願いを叶えるため海岸に向かう3人。
理沙の回想シーンがモノクロからセピア調に変更。


海岸に着いたが曇っていて夕陽が見えない。台詞の前に3人のショット追加。




00:56:16- 天神崎 理沙が連れ去られたあと、残った2人



願い叶わず最後の夕陽を見ることなく死神によって連れ去られる理沙。
理沙が去った直後に夕陽が出る、というシーンで、よりわかりやすく赤みを強調。
カラコレのミスか、夕方のはずが青みがかっていた空のカットもオレンジに修正。


マキ「バカヤロー」の台詞のあとに理沙の見れなかった夕陽を眺める2人の後ろ姿追加。




01:01:50- 天神崎 事故現場で夏美の8ミリカメラを探す鉄男

同様に色味をよりオレンジに調整。




01:14:35- 高山寺境内 夏美を母親と教師の元に引き渡そうとする鉄男

悔やむ鉄男の前に夏美の姉・春美が現れる。

公開版では夏美とマキが乗り込んだ鉄男のワゴンになぜか先に姉・春美も乗っていてやや唐突に語り始めるのだが、その前フリのカットが追加されている。




01:32:48- 会津川河口 旅立ちの朝

朝焼けのピンクがかった色に変更。



旅立つ前に河口に立ち寄り、土管に坐り写真を眺めて物思いに耽る夏美のシーンが長くなっている。




01:35:40- エンディング ♪「空の模様」

8ミリカメラを構える夏美。
同様にピンクに調整。










1人残された夏美が8ミリカメラ越しに見た風景。
不器用で孤独だった4人、もし命を落とす前に友達になっていたら?というあり得たかもしれない別の現在の姿が映し出される。
特に理沙はここでしか見せない笑顔を見せる。

このエンディングシーンは後半に大幅にカットが追加されており、尺が1.5倍ほどに伸びている。
ただエンディング曲がかかるタイミングやトータルの長さは同じなため、追加カットの分だけ暗転してからのスタッフロールが流れる時間が短くなり、若干駆け足の高速スクロールとなっている。



<終>









かつて「熊楠 KUMAGUSU」(山本政志監督)の頓挫により映画への信頼がすっかり失墜してしまっていた和歌山県田辺市で、太田監督は何年もかけてその熱意だけで多くの人々の心を動かし、「ストロベリーフィールズ」は完成した。
また、本作がきっかけとなり、田辺・弁慶映画祭がはじまる。


「ストロベリーフィールズ」に巨匠が寄せた言葉。

完成した映画には、その美しさだけが優しく充満している。それは太田君が本来持つ、映画作家としての資質であり、力量である。作家は常に処女作に還り、その初心は永き生涯の資源となる。

── 大林宣彦




「向日葵の丘 1983年・夏」、8ミリカメラを回す少女に、夏美を見る。
17歳だった。

それは、故・柳原尋美さん(ex.カントリー娘。)への想い。
で、あろう。

だけどぼくは、「風の娘たち」を見たことがないし、知らないから、わからない。



ぼくはぼくで、真子のことをかんがえよう。

comments ()

2016.04.18 21:51

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.04.23 10:25

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